「あ、今日の路面、終わってるな……」
冬の仙台、朝のジョギングに行こうとドアを開けた瞬間、街灯に照らされてキラキラと光るアスファルトを見て、溜息をついたことはありませんか?
そう、ブラックアイスバーンです。
私たち40代ランナーにとって、冬の練習は「寒さ」との戦い以上に、「路面凍結」との戦いです。一度の派手な転倒で膝や腰を痛めれば、数ヶ月のブランクは避けられません。
「でも、春の大会に向けて練習は休みたくない。」
そんな熱意を持つあなたへ、サブスリーランナーの私が実践している、「凍結路面でも滑らないシューズの選び方」と「冬を安全に走り抜けるテクニック」を詳しく解説します。
40代ランナーにとって、冬の「転倒」は最大の敵である理由

なぜ、私たちがここまで「転倒」を恐れるべきなのか。それは、単に痛いからだけではありません。
20代とは違う「怪我の治りの遅さ」のリスク
残念ながら、40代は20代の頃に比べて腱や関節の回復力が低下しています。滑って変な方向に足をひねれば、そのまま「今シーズン終了」の宣告をされかねません。冬の1勝(練習)よりも、1敗(怪我)の方が圧倒的にダメージが大きいのです。
【タイプ別】凍結路面を攻略するランニングシューズの選び方
冬の仙台の路面は、一言で「凍結」と言っても、ガチガチの「アイスバーン」、溶けかけの「シャーベット」、踏み固められた「圧雪」と様々です。自分の走る時間帯やコースに合わせた一足を選びましょう。
【最強の安心感】スノーランニング専用モデル

氷の上を走るために開発された「GEL-TRABUCO 13 GTX」のような専用靴は、やはり最強です。
- 特徴
ゴムの中に硬い素材が練り込まれており、氷をガチッと掴みます。なんといってもゴアテックス搭載なので雨でも雪でも靴の中まで浸透はしません。 - こんな人に
毎朝、確実に凍結している地域を走る方。

【万能のグリップ】高機能ラバー搭載モデル

最近、私が最も注目しているのが、ゴムの「粘り気」で滑りを止めるタイプです。特にプーマの「PUMAGRIP」は、濡れたタイルや薄い氷の上でも驚くほどの吸着力を見せます。
- メリット
乾いたアスファルトでも違和感なく走れるため、仙台のように「場所によって凍っている」環境に最適です。

シューズだけじゃない!「滑らない走り方」の3つのコツ
装備を整えたら、次は「技術」です。凍結路面では、夏と同じフォームで走るのは厳禁です。
- ペンギン歩きの要領で「小刻みに」 ストライド(歩幅)を広げると、足が地面を蹴る角度が斜めになり、滑りやすくなります。歩幅を狭くし、ピッチを上げる意識を持ちましょう。
しかしこの走り方を長く続けると本来の自分の走り方が崩れる恐れがありますの注意が必要です。 - 真上から踏みしめる「フラット着地」 踵(かかと)から着地すると、そのまま前方へツルッと滑ります。足の裏全体で、地面を真上から踏むイメージで着地しましょう。
重心は足の真上というよりお尻に乗せるイメージで、お尻で走るイメージです。
冬の仙台おすすめランニングコース

【最強の冬コース】荒浜・蒲生エリア(海岸堤防・かさ上げ道路)
仙台市内で冬に最も走りやすいのは、間違いなく海沿いです。
- 理由
内陸部に比べて積雪が圧倒的に少なく、日当たりを遮る建物がないため、朝日が出るとすぐに路面の氷が溶けます。 - コース詳細
震災後に整備された「海岸堤防(震災復興伝承ロード)」や「かさ上げ道路」のサイドにあるサイクリングロード。 - メリット
信号が一切なく、平坦。距離を稼ぎたいロング走にも最適です。 - 注意点
遮るものがないため「海風」が強烈です。防風対策(ウインドブレーカー)は必須。
【日当たり良好】広瀬川河川敷(若林区・太白区側)
特に「宮沢橋〜千代大橋〜霞目」あたりの河川敷コースです。
- 理由
堤防道路は南向きに開けている箇所が多く、日中の日照時間が長いため、午前中の早い段階で乾燥路面(ドライ)になりやすいのが特徴です。 - コース詳細
広瀬川サイクリングロード。 - メリット
土手の上は風が抜けますが、その分路面が乾くのも早いです。 - 注意点
橋の下などの「日陰」になる部分は、いつまでも氷が残っている「トラップ」になりやすいので、そこだけ要注意です。
【融雪と人の力】定禅寺通〜青葉通(都心部ループ)
「今日はどこも凍ってて危ない」という日の最終手段は、中心部です。
- 理由
交通量が多く、ビルの暖房や地下鉄の排熱などで気温がわずかに高く、さらに歩道の清掃(融雪剤の散布など)が早いため、最も早くアスファルトが露出します。 - コース詳細
定禅寺通〜西公園〜青葉通〜駅前を回る周回コース。 - メリット
夜でも明るく、万が一転倒しても周囲に人がいる安心感があります。 - 注意点
信号待ちが多くなるため、ペース走には向きません。冬の低強度ジョグ(LSD)と割り切って走るのが正解です。
【番外編:完全回避】シェルコムせんだい(泉区)
外が吹雪やガチガチのアイスバーンの時は、無理をしないのがサブスリーへの近道です。
- 理由
泉区にある「シェルコムせんだい」の回廊は、1周約200mのランニングコースとして利用可能です。 - メリット
屋内(半屋外)なので路面凍結の心配がゼロ。 - 注意点
貸切利用等で走れない日もあるため、事前に仙台市スポーツ振興事業団のHPで個人利用枠を確認する必要があります。
まとめ

適切な装備で冬を制する者が、春の自己ベストを制する
冬の路面凍結は、ランナーにとって試練です。しかし、適切なシューズを選び、走り方を工夫することで、安全にトレーニングを継続することは十分に可能です。
「今日は危ないから休もう」ではなく、**「この装備なら安全に走れる」**という状態を作っておくこと。
この冬を怪我なく走り抜けた先には、きっと春の大会で満面の笑みを浮かべるあなたが待っています。
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